汗は体温が上がり過ぎないよう、身体を冷やすために分泌されます。そのため、夏の暑い時期は分泌量が増えるのは当たり前のことです。

だからといって、汗をかいた状態を放置していると次のような肌トラブルの原因になってしまいます。

汗が原因で起こる肌トラブル1「乾燥」
汗が蒸発するとき、肌内部のうるおい成分が一緒に奪われるため、肌が乾燥してしまいます。

汗が原因で起こる肌トラブル2「敏感症状」
汗によってふやけた肌は傷つきやすく、外部刺激に弱くなってしまいます。特にマスクの内部は高温多湿で肌の抵抗力が弱まっている上、マスクとの摩擦で肌が傷つきやすい状態です。

では、汗による肌トラブルを避けるためにはどうすればよいのでしょうか？
大切なのは「汗をかいたらすぐふき取る」「清潔なタオル・マスク を使用する」「適度な洗顔と保湿を行う」の3点です。

肌の表面についた汗を放置すると、汗に含まれた成分が刺激になり肌トラブルの原因になります。タオルでこまめにふき取りましょう。その際、清潔でやわらかいタオルを使い、軽く押さえるようにふき取ることもポイントです。

タオルと同様に直接肌に触れるマスクも、汗をかいたら取り替えて常に清潔なものを使いましょう。

顔についた汗を落とすためには洗顔が最も効果的ですが、汗や皮脂が気になるからといって洗いすぎるのはNG。肌に必要なうるおいまで洗い流してしまうので、特別に汗をかいたり汚れたりしたときを除いて朝晩の2回にとどめた方が良いでしょう。 洗顔後は、湿気が多い季節でも化粧水・乳液・クリームをあわせて使用し、入念に保湿を行いましょう。

暑くなると皮脂が増えて困るというかたは多いはず。

夏に皮脂が増える大きな原因は、肌の表面温度が上昇することです。肌の温度が上がると熱を外に逃がすために汗や皮脂の分泌が活発になり、さらに気温の高さで皮脂が分泌されてテカリを引き起こします。

皮脂が増える原因はほかにもいくつかあり、ホルモンバランスの乱れや偏った食事、睡眠不足が影響していることもあるでしょう。

また、肌の内部の乾燥によって表面の皮脂の分泌が過剰になっていることもあります。“インナードライ”と言われる状態で、男性にも多く見られるものです。

適度な皮脂は肌のうるおいを保つために必要ですが、過剰に分泌されてしまうと肌トラブルを起こしてしまうことがあります。

皮脂が原因で起こる肌トラブル1「ニキビ」
ニキビの原因となるアクネ菌は皮脂をエサに活発化し、ニキビを発生させます。特にマスク内部の高温多湿な環境は雑菌も増殖しやすいため、炎症を起こしやすい状態となっています。

皮脂が原因で起こる肌トラブル2「肌あれ」
過剰に分泌された皮脂が酸化すると“過酸化脂質”という肌へ刺激を与える物質に変化してしまいます。過酸化脂質によって刺激が加わると、肌あれが起きてしまいます。

皮脂が原因で起こる肌トラブル3「毛穴の開き、黒ずみ」
皮脂の分泌が増えると、毛穴は皮脂によって押し広げられ目立つ状態になります。さらに、毛穴に皮脂や汚れが詰まると角栓ができ、角栓が酸化すると黒ずみ毛穴になることも。

皮脂が原因で起こる肌トラブル4「テカリ、化粧崩れ」
過剰に分泌され溶け出した皮脂によってテカリが生じ、脂っぽい印象の肌に。特に額・鼻・頬などがテカリやすく、ファンデーションやコンシーラーが浮く原因になります。

皮脂も汗と同様に、すぐ拭き取ることが大切です。日中はあぶらとり紙やティッシュなどで、過剰な皮脂をオフしましょう。

肌にある皮脂腺は紫外線を浴びると肥厚し、皮脂の分泌が過剰になることがあります。また、分泌された皮脂が紫外線によって酸化するというデメリットも。日中は必ず日焼け止めを塗って紫外線対策を行いましょう。

洗顔は、皮脂が多い場合も洗いすぎによる乾燥を防ぐために原則1日2回にとどめた方が良いでしょう。乾燥はかえって皮脂の分泌を引き起こすため、ベタつきを嫌がらずにたっぷりと保湿しましょう。夏場はさっぱりとした使い心地の化粧水を使ったり、リキッドファンデーションをパウダーファンデーションに変えたりと、アイテムを見直すことも皮脂対策に効果的です。

あわせて、脂っこいものや甘いものの摂りすぎに注意し、ビタミンやたんぱく質を摂る、早寝早起きで睡眠時間を十分に確保するなど生活習慣の見直しも行いましょう。