2023.04.12

解決しない毛穴悩み。保湿×皮脂コントロールで自分史上最高の肌を目指そう!

ドクターズコラム

頬や鼻の周りなど、気になる毛穴の目立ち。最近は「全体的には乾燥肌だけれども、部分的に皮脂が多くて毛穴の目立ちが気になる」と悩むかたが増えているそうです。実は、目立つ毛穴にはそれぞれタイプがあり、原因や対策も異なるのだとか……! 今回は、銀座ケイスキンクリニック院長 慶田先生に毛穴が目立つ原因からお手入れ方法までを詳しく教えていただきました。


目立つ毛穴の3つのタイプ

肌悩みに切り離せないのが「毛穴の目立ち」。年代問わず、毛穴の目立ちに悩むかたは多くいらっしゃいます。

毛穴の目立ちというと、「皮脂分泌の多い人特有の悩み」と捉えられがちですが、最近では全体的には乾燥肌だけれども、部分的に皮脂分泌が多くて、毛穴の目立ちが気になるというかた増えています。

毛穴の種類として、

✓ つまり毛穴
✓ 黒ずみ毛穴
✓ 開き毛穴

の3つに分類されます。

毛穴の種類

つまり毛穴

皮脂の分泌が多く、過剰な皮脂が角質と混ざり合って角栓となり、毛穴部分につまった状態の毛穴です。皮脂の分泌量は体質や性別、年齢で個人差があるのですが、皮脂が過剰な場合に起こりやすいものです。
皮脂を分泌する“皮脂腺”が遺伝的に大きかったり、男性ホルモン活性の高いかたに見られます。


黒ずみ毛穴

毛穴につまった角栓が酸化されて黒くみえるために起こる状態です。
毛穴は断面がすり鉢状の漏斗のような形となっているのですが、上からみたときに褐色の色素であるメラニンをたくさん含有した角層が見えてしまうため、黒く見えることもあります。
紫外線の影響や毛穴が気になるからといって触りすぎなどの影響による炎症によってもメラニンが増えてより黒ずみが目立ってしまいます。


開き毛穴

角栓ができることで、毛穴が押し広げられて目立つ毛穴の状態です。つまり毛穴が起こりやすいかたは、開き毛穴も起こりやすいといえます。
皮脂の分泌量が多いかたは開き毛穴になりやすいのですが、加齢によっても生じます。ただ、仕組みは少し異なり、30代後半くらいから毛穴が存在する真皮のコラーゲン線維の質・量が低下し、真皮構造がゆるむことでたるみを伴う開き毛穴となるのです。


3タイプの毛穴について説明しましたが、これらの目立つ毛穴の共通の原因としては、皮脂分泌量の多さが挙げられます。遺伝的な要素もありますが、男女でいうと男性のほうが皮脂の分泌量が多い傾向があります。ただ、女性でも個人差があります。年齢でいうと、若いかたのほうが皮脂分泌量は多くなります。

もう一つの原因として、バリア機能やターンオーバーの状態なども影響してきます。バリア機能に関しては、遺伝的に乾燥肌であることもありますが、生活習慣やスキンケア習慣などでもかなり変わってきます。

毛穴の目立ちには、様々な要因が複雑にからみあっているのです。


自分史上最高の肌を目指すために大切なこと

毛穴を気にする女性のイメージ

毛穴の目立ちは遺伝的な要因もありますが、正しいスキンケアと生活習慣で自分史上最高の肌を目指すことは可能だと考えます。

自分史上最高の肌を目指すためのカギとなるのが「バリア機能(角層ラメラ)を整えること」です。バリア機能が整っていれば、外部刺激に対しての抵抗量が増しますし、炎症によるターンオーバーの乱れも防ぐことができます。

皮脂が気になるからといって、保湿ケアを控えるのはNGです。皮脂もバリア機能を担う大切な要素の1つではありますが、水分を保持する要となるのは角層内の角層ラメラや角層細胞内のNMF(天然保湿因子)なのです。

角層内のイメージ

皮脂が多く分泌されていても、角層内がうるおいでみたされていなければ、「うるおっている」とはいえない状態です。そのため、皮脂分泌が多いかたでも保湿ケアは重要となるのです。


基本のスキンケアの3ステップ

スキンケアの基本的な3ステップとしては、

1. 洗う
やさしく洗う・ちょうどよく洗う(1日2回)

2. うるおうす
しっかりうるおす(水分を保持する力のある保湿成分を適正量塗る)

3. 光対策
紫外線対策をする

です。
これは、スキンケアの目的がシミであっても、キメをととのえることであってもすべて同じです。

不要な皮脂は角層の炎症を引き起こしてしまうので、まずは「1.洗う」で肌をリセットすることがとても大切です。不要なものをきちんと落とすことでターンオーバーも整います。

続いて、洗うとセットになるのは「2.うるおす」です。単純にうるおいを与えるだけでなく、角層ラメラをいかに整えるかが重要になってきます。これが「真のうるおい」ですね。

紫外線対策も重要です。紫外線はシミの原因となるだけでなく、角層のターンオーバーに悪影響を及ぼしたり、皮脂の酸化の原因となったります。日やけ止めで肌をまもると同時に、日傘や帽子などで物理的に紫外線を遮ることもおすすめです。


見直したい5つの生活習慣

生活習慣の「5本柱」としてお話しているのですが、

・食事
・睡眠
・排泄(腸内環境)
・運動
・ストレスコントロール

の5つを意識していただきたいですね。

食事

肌の材料になる成分を体内に入れないことにはつくれませんよね。バランスよく摂取して吸収することが大切です。身体の組織は常に生まれ変わっているので、その材料を供給する食事はとても重要です。


睡眠

肌を再生させたり、臓器を修復するのは睡眠中です。きちんと質のよい睡眠をとることで健やかな肌や身体が生まれます。


排泄(腸内環境)

食事とも深く関連するのですが、きちんと食べることは腸内細菌にエサをあげることにつながります。腸内環境が整うと、肌の水分量が高まるということが分かっています。


運動

身体を動かすことで、筋肉量が増えて巡りがよくなりします。さらに、食事・睡眠・ストレスコントロールにも深く関わるため、ぜひ運動は習慣化したいですね。


ストレスコントロール

ストレスがないかたはいないですが、受け流すストレス耐性と、強いストレスがかかったときにも逃げる賢さがあるといいですね。


この5本柱は毛穴の目立ちをはじめとする肌悩み解決の土台となるものです。スキンケアの3ステップとあわせて、ぜひ意識してくださいね。

自分史上最高の肌を目指すためには、特別なことをする必要はなく“基本に立ち返る”ことが大切だと考えます。
肌があれてしまうと心もあれますし、心があれると肌もあれてしまいます。

基本のスキンケアを丁寧に行うことで肌の状態がよくなると、それだけで気持ちも楽になりますよね。肌に寄り添うためにも、いつでも心地よく使えるシンプルな処方のスキンケアはおすすめです。
正しいスキンケアと生活習慣で、ぜひ自分史上最高の肌を目指してみてくださいね。

慶田朋子先生プロフィール

慶田 朋子先生

銀座ケイスキンクリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科を卒業後、同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、銀座ケイスキンクリニックを開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせた「切らないハッピーリバースエイジング」を提唱し、メスを使わない若返りを叶える美容皮膚科医として活躍。テレビや雑誌などメディアにも多数出演。

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