2020.11.11

顔の保湿が大切な理由とツヤのある肌のためのおすすめスキンケア

ドクターズコラム

ツヤがあって、うるおいのある素肌をどうやったら保てるのか?
多くの人がそう思っているのではないでしょうか。
顔の保湿が大事だからと、基礎化粧品を使って念入りにしているのに、「頬や口の周りがカサカサする」「肌にツヤがない」「お風呂上がりや洗顔後に肌が突っ張る」など、肌の悩みを訴える声をよく聞きます。

本来、人間の皮膚には、うるおいを保つバリア機能が備わっていますが、内的要因、外的要因、さまざまな理由で顔の保湿力が落ちると、外側から水分だけ補給しようとしてもなかなかうまくいきません。

間違ったスキンケアが原因で肌が敏感になったり、過剰な刺激を受けたりしている可能性もあります。
ここでは、顔の保湿力が落ちる原因を踏まえ、保湿の大切さやメリット、保湿力をサポートするためのおすすめのスキンケア方法を紹介します。


顔の保湿はなぜ大切なの?皮膚のバリア機能をサポートする保湿のメリット

人間の皮膚には、もともとは外からの刺激をブロックし、体内の水分量を正常に保つためのバリア機能が備わっています。しかし、紫外線や加齢、生活習慣の乱れなど、何らかの要因でこの機能が正常に働かなくなると、肌が乾燥し、外部からの刺激を受けやすくなり、肌あれなどのトラブルにつながります。

皮膚のバリア機能で重要な役割を果たしているのは、皮膚の一番外側にあるわずか0.02mmの「角層」です。
「角層」の中には、角層細胞がレンガ状に積み重なっていて、それぞれの細胞の中には、水分と結合してうるおいを保つ「天然保湿因子(NMF)」が存在しています。さらに、細胞と細胞の間には、セラミド、コレステロール、脂肪酸などからなる「細胞間脂質」が隙間なく存在し、バリア機能を支えています。

また、一番外側には、水分が外に逃げないように皮膚の表面を覆っている、皮脂と汗が混ざり合ってできた皮脂膜があります。

何らかの要因で肌のうるおいを保つ仕組みが崩れると、たちまち肌あれなどのトラブルが生じてしまいます。

保湿は、肌の健康を守るためには欠かせないものであり、例えば、空気の乾燥や加齢などによってうるおいが保てないときは、保湿剤などを補ってバリア機能をサポートすることも大切です。

同時に、バリア機能が低下する要因はさまざまあるため、外側から保湿するだけでは、うるおいが保てない場合もあります。
次に、顔の保湿力が低下する原因について見ていきましょう。

角質構造のイメージイラスト


顔の保湿力が落ちる原因は?紫外線や生活の乱れ

顔の保湿力がなぜ低下するのか?
皮膚のバリア機能が低下する一番の要因は乾燥ですが、ここでは、肌の乾燥を引き起こす5つの要因について解説します。

紫外線

紫外線は、地表に届く太陽光の中で最も短い波長のもので、3種類あるうち「UV-B」が、皮膚や眼に有害だといわれています。

紫外線というと「肌のシミ」を心配するかもしれませんが、日やけは肌の乾燥も招きます。
皮膚には、すこやかさを保つために定期的に生まれ変わる仕組みが備わっていて、これを「ターンオーバー」と呼びますが、日やけによってターンオーバーのサイクルが短くなり、細胞が未熟なまま育ってしまいます。未熟なままだと、細胞の中でうるおいを保つ成分も少なくなり、細胞自体の乾燥へとつながります。

紫外線は夏だけでなく、4月から9月にかけて強くなり、日やけをしなくても紫外線は1日を通して蓄積されます。また、日やけ止めを塗ったからといって、紫外線の害を長時間防げるということではありません。
保湿剤などによる保湿や、日やけ止めに加えて、日傘などで紫外線を防ぐ対策も大切です。

紫外線の年間変動量

生活習慣の乱れ

夜ふかしや不規則な生活、過度なダイエット、偏食などによる栄養バランスの乱れ、過度のアルコール、ストレス、喫煙、運動不足など、生活習慣の乱れが、顔の保湿力を低下させる原因になります。

生活習慣が乱れると、ターンオーバーの周期にも影響を与えます。周期は短くても、長くてもよくありません。紫外線のところでも説明したように、周期が短くなると顔の保湿にとって大切な細胞自体が乾燥し、逆に、長くなると、垢や古い角層細胞が表面に積み重なり、やはり乾燥の要因になります。

また、生活習慣の乱れは、ホルモンバランスの乱れも引き起こします。夜更かしや睡眠不足が良くないのは、ホルモンの分泌に影響を与えるからです。
睡眠中に多く分泌される成長ホルモンは、骨や筋肉の成長だけでなく、皮膚の再生や修復にも関わっています。
肌をすこやかに保つためには、質の良い睡眠を取ることもとても大切です。

肌に合わないスキンケア

保湿力の低下は、間違ったお手入れによっても起こります。
例えば、洗顔時のお湯の温度が高すぎると、肌を守ってくれている皮脂膜まで洗い流してしまい、乾燥の原因になります。

また、化粧を落とす際に肌をゴシゴシこすったり、クリームも塗らずに顔のマッサージをしたり、1日に何回も洗顔したりなど、肌に刺激を与えて傷つける可能性のあるスキンケアも見直した方がいいでしょう。

普段使っている基礎化粧品や、スキンケア方法が、肌に合わない場合もあるため、選ぶ際は自分の肌の状態をよく見極めることも必要です。

加齢

加齢も保湿力が低下する一因となります。
角層細胞の中の「天然保湿因子」や、皮脂膜の主成分である「皮脂」など、肌のうるおいを保つために大切な成分が年齢とともに減っていきます。

また、女性ホルモンや成長ホルモンなども減少するため、肌はより乾燥しやすくなってしまいます。自分の肌に合っていないスキンケアによって、乾燥がひどくなっている可能性もあります。

大切なのは、自分の肌の状態を把握して、不足しがちな成分を補うなど、皮膚のバリア機能を低下させないスキンケアを心掛けることです。

季節・室内環境

空気の乾燥や湿度も、顔の保湿力に影響を与えます。
秋・冬は湿度が低く、乾燥した日が続くため、肌がカサカサするなど肌あれに悩む人も多いのではないでしょうか。
冬だけでなく、夏でも、エアコンの効いた湿度の低い部屋にずっといると、肌は乾燥してきます。
肌に良い湿度は50~60%とされており、室内では加湿器などをうまく使って、湿度をコントロールするのもおすすめです。


顔の保湿と肌にツヤを出すためのスキンケア方法

顔の保湿力を低下させず、うるおいとツヤのある肌を目指すためには、洗顔や洗顔後のスキンケアにも気を配る必要があります。ここからは、顔の保湿のために気をつけたいポイントをご紹介します。

落としすぎないやさしい洗顔をする

洗顔のときに一番心掛けたいことは、皮脂を落としすぎず、やさしく洗うことです。

皮膚に備わっているバリア機能の説明で、角層の一番外側には、水分が外に逃げないように表面を覆っている皮脂膜があると紹介しました。皮脂が多過ぎると肌のテカリや化粧崩れの原因にもなりますが、本来は、顔の保湿力を保ってくれる重要な成分です。
洗顔の際に皮脂を落とし過ぎると、皮膚に備わっている「外からの刺激をブロックし、体内の水分量を正常に保つ」という機能が低下してしまいます。

メイクのクレンジングも含め、洗顔の際の注意ポイントを以下にまとめたので参考にしてください。

・アイメイクをしっかりしている場合は、クレンジング前にポイントメイクリムーバーなどを使って、やさしく拭き取るように落とします
・顔全体のメイクを落とすときは、ゴシゴシこすらずに落とせる肌に負担のないクレンジングを使用します
・洗顔の際は、洗顔料をよく泡立てて、指の腹でやさしく全体に行き渡らせ、ぬるま湯で洗い流します
・洗顔後は、タオルで押さえるように拭き取ります。ゴシゴシこすると肌を傷つけるため気をつけましょう

タオルで顔を拭く女性の画像

保湿力を補う化粧水や乳液・美容液をつける

洗顔後の肌は、とても乾燥しやすくなっています。

ゴシゴシこすらずに、やさしく洗ったとしても、皮脂膜など肌のうるおいを守る成分が洗い流され、それによって、角層にある水分を保持する成分も流出しやすくなってしまいます。
洗顔後は、皮膚のバリア機能が一時的に低下するため、速やかに保湿のためのケアを行って、乾燥を防ぐことが大切です。

保湿ケアの基本は次の3ステップです。シンプルですが、肌のうるおいを保つためには怠らずに続けてください。
1.肌に水分を補うため、化粧水をつけます。肌に負担となるパッティングは避け、やさしくなじませます
2.次に、水分と油分でできている乳液をつけて、乾燥しやすくなっている肌をサポートします
3.最後に、油分が配合されたクリームなどをつけ、水分が逃げないようにうるおいを閉じ込めます。クリームは、外部からの刺激をブロックする役割も果たします

保湿ケア順序のイメージイラスト

顔の保湿をするための基礎化粧品選びのポイント

顔の保湿力を維持するために一番大切なのは、肌に本来備わっている外部刺激を跳ね返す力が正常に働くようにすることです。
基礎化粧品を使って、毎日保湿ケアをすることは肌の健康にとって必要なことですが、ただやみくもに、水分、油分をたっぷり与えればいいというものではありません。
自分の肌に合っているかどうかも大切で、合わないものを使い続けていると、肌あれなどのトラブルにつながってしまいます。

基礎化粧品を選ぶときは、以下のポイントを参考にしてください。
・なめらかで、摩擦感がないテクスチャーのもの
・肌への負担が少ないもの
・肌の外部刺激を跳ね返す力が正常に働くよう、外側からサポートする働きのあるもの
・自分の肌の状態をよく知って、肌に合ったもの

肌のうるおいを保つために、なぜ顔の保湿が大切なのかをよく理解し、毎日のスキンケアで、皮膚のバリア機能が正常に働くようにサポートしましょう。


まとめ

皮膚には、外からの刺激をブロックし、体内の水分量を正常に保つためのバリア機能が備わっていますが、何らかの要因でその仕組みが崩れると、たちまち肌あれなどのトラブルが生じます。

顔の保湿力が落ちる原因は、紫外線や生活習慣の乱れ、肌に合わないスキンケア、加齢、外気の乾燥などさまざま考えられます。うるおいとツヤのある肌を保つためには、紫外線や乾燥などから肌を守り、規則正しい生活をして体調を整えることも大切です。

また、洗顔や洗顔後のスキンケアにも気を配る必要があります。洗顔の際は、肌に刺激を与えず、皮脂を余分に落とさないようにやさしくぬるま湯で洗います。洗顔後は、一時的に低下した肌の外部刺激を跳ね返す力をサポートするために、化粧水、乳液、クリームなどでしっかりとケアをしましょう。

原みずき先生プロフィール

原みずき先生

みずき皮膚科クリニック 院長。
皮膚科医。都内のクリニックで勤務。自身が小児期にアトピーであったことから皮膚科医を目指した。女性の皮膚科専門医としてアトピーなどの日常的な疾患から、シミなどの美容皮膚科まで幅広く診療している。