2020.10.14

一年を通じて悩まされる乾燥肌。うるおいを保つ秘訣とは?

ドクターズコラム

お肌がカサカサと乾燥してドライスキンになるとかゆみや赤みが出たり、お化粧のノリが悪くなることもよくあります。できれば一年を通してしっとりとしたうるおいのある肌でいたいものです。

そのためには、カサカサが目立ってから慌てるのではなく、日頃から保湿のためのスキンケアを行いたいものです。今回は、乾燥肌の原因となる肌のバリア機能の低下について解説するとともに、うるおい肌を保つためのメソッドを紹介します。


乾燥肌ってどんな肌?

乾燥肌とは肌の水分や油分を保てていない状態です。そんな乾燥肌が起きやすい季節や、カサカサとともになりやすい肌の状態について見ていきます。

「乾燥肌」は季節を問わない

空気が乾く秋~冬が、とくに乾燥肌あれが気になる季節です。しかし、それ以外でもエアコン、紫外線、加齢、皮膚疾患、間違った洗顔、食生活の乱れなどのようなさまざまな要因により、季節を問わず肌は乾燥しがちです。

とくに夏場のエアコンや紫外線は肌のうるおいを損わせます。また、ダイエットなどで栄養が偏ったり、生活リズムが乱れても、肌のコンディションを損なって乾燥肌になってしまうことがあります。

乾燥肌の症状はさまざま

乾燥肌になると不快感があるだけではなく、お化粧のノリも悪くなります。とくに、顔の中では頬や目の周り、口の周り、唇が乾燥しやすく、つっぱったような感覚を引き起こしたり、かゆいと感じたりすることもあります。

また、肌の水分が不足すると、顔の乾燥だけではなく、ひじ、ひざ、すね、足の裏などもカサカサとして、粉吹き、かゆみなどが起こります。さらに、外部の刺激に弱くなり繊維、洗剤などに反応してチクチクとしてしまいます。


肌が乾燥する原因は?

よく、人間の50~75%は水分でできていると言われていますが、なぜ肌は乾燥してしまうのでしょうか。それを知るには、まずは肌の構造を見ていきましょう。

肌をすこやかに保つ「バリア機能」

肌は表皮、真皮、皮下組織の三層からなり、表皮の一番外側には0.02mmという薄さの角層があります。そして、角層は皮脂膜で覆われています。また、角層細胞は水と結合してうるおいを保つNMFという天然保湿因子を持ち、それを細胞間脂質が挟んでガードしています。

それらの角層細胞は、表皮の一番内側の基底層で毎日、ケラチノサイト(角化細胞)として生まれています。ケラチノサイトは後から生まれる細胞に押し上げられて角層に達して角層細胞になり、やがて剥がれ落ちていきます。そのサイクルを肌のターンオーバーと言います。

このターンオーバーが正常に行われ角層が本来の機能を発揮すると、紫外線などの外部の刺激から肌を守り、一方で肌の水分が逃げるのを防いでくれます。ところが、バリア機能が低下すると角層が不安定になり、肌の水分量も保てなくなったり、肌あれを起こしたりします。

乾燥とともにかゆみや赤みが出るのも、このバリア機能の低下に原因があると考えられます。角層のバリア機能が低下すると知覚神経が刺激を受けやすくなりかゆみが発生し、刺激によって肌の細胞が壊れたり異物の混入があると炎症を起こして赤みが出てきます。

バリア機能のイメージイラスト

「バリア機能」を低下させる原因

肌のターンオーバーが正常に行われ、角層が本来の働きをしてくれれば、うるおいを保ちやすくなります。しかし、以下のような要因があると、バリア機能は低下してしまうとされています。

・季節的な空気の乾燥、エアコンによる乾燥
・角層に直接ダメージを与える紫外線などの外部刺激
・栄養の偏り(とくに肌のターンオーバーを助けるビタミンB群の接種は重要)
・間違ったスキンケア
・加齢による細胞間脂質、NMFの減少
・ストレス
・ホルモンバランスの乱れ

いずれも、暮らしの中で起こりやすいことばかりです。そこで、毎日、手軽にできる肌のケアについて、次から紹介していきましょう。


「バリア機能」を整えて乾燥肌を予防

肌のためには外と内からのケアを考える必要があります。生活習慣を整え健康的な生活を送ることで内側から肌のケアをし、正しいスキンケアで外からのケアを行います。乾燥肌を予防する方法を紹介します。

生活習慣の改善

肌の乾燥を防ぐには生活習慣を見直すことも大切です。以下のような点について、もう一度、チェックしてみてください。

睡眠
眠りが浅かったり、睡眠時間がしっかりとれていなかったりするのもターンオーバーを乱れさせ、肌によくはありません。しっかり、最低でも6時間は睡眠をとることが大切です。少なくともゴールデンタイムと呼ばれる22時~深夜2時頃は睡眠をとるようにしたいものです。

適度な運動
適度な運動も体の代謝を上げ肌のターンオーバーを助けます。さらに、ストレスを溜めないことが大切です。

食生活
栄養バランスのよい食事を心がけます。乾燥肌対策にはビタミンA、B、C、Eやミネラル、食物繊維、たんぱく質などをしっかり摂るようにしましょう。適度な水分補給も忘れずに行います。

外出時の紫外線対策
外出するときには紫外線対策も忘れないようにします。UVケアのために日やけ止めクリームを塗る方法もあります。しかし、日やけ止めクリームはこまめに塗りなおす必要がありますが、その時間がないときがあります。また、敏感肌で日やけ止めクリームを塗りたくないという人もいるでしょう。そこで、帽子や日傘、サングラスなどで強い日差しを遮光する方法も併用するようにします。

室内の環境
湿度が30%以下で肌は乾燥し始めると言います。部屋の湿度が下がらないように乾燥する季節は加湿器などを使って部屋の空気を整えます。また、夏でも冷房により部屋が乾燥してしまうことが多いので、気を付けるようにします。

生活習慣のイメージイラスト

毎日のスキンケア

食生活を見直すとともに、もちろんスキンケアについても考える必要があります。例えば、洗顔後につっぱった感覚がある場合には、洗顔の仕方を見直したほうがいいかもしれません。

また、入浴時間が長すぎたり、洗顔の回数が多すぎても肌の水分や油分を失う可能性があります。とくに、やってしまいがちなのが長風呂です。肌がふやけるまで入っていると、角層の皮脂が必要以上に流れ、乾燥肌の要因となってしまいます。お風呂の温度も38~40度程度を保つようにしましょう。

洗顔の後は速やかに保湿を行うようにします。特別なことをしなくても、化粧水をたっぷりと補うようにすればOKです。高いコスメを使うことよりも、洗顔後すぐに保湿するというタイミングのほうが大切です。


うるおいを保つスキンケアのコツ

肌のうるおいを保つためには肌に優しい洗顔と、しっかりとした毎日の保湿ケアが大切です。そこで、具体的に洗顔の方法を紹介します。また、自分に合ったスキンケア用品の選び方も見ていきましょう。

やさしい洗顔で肌を清潔に

スキンケアで大切なのが洗顔です。洗顔次第では余分な汚れが肌に残ってしまったり、逆に皮脂が落ちすぎてしまうこともあります。また、皮膚を傷めてしまうこともあるので、気をつかいたいところです。

おすすめの洗顔方法
1.ぬるま湯で顔全体を洗います
2.洗顔料をしっかりと泡立てます
3.顔に泡を載せます。とくに皮脂の多いおでこや鼻のTゾーンにはしっかりとのせるようにします。30~40秒ほどおきます。
4.ぬるま湯で優しく洗顔料を洗い流します。
5.タオルを肌にやさしくあてるようにして水分をとります。
仕上げにタオルは温水で濡らして絞ったものを顔に優しくのせるのもおすすめです。

また、洗顔するときのお湯の温度も大切です。冷たい水では余分な皮脂が落ちず、逆に熱い場合には必要なうるおいいまでも失いかねません。肌にとって気持ちよく感じる程度のぬるま湯で洗うようにしましょう。

洗顔中の女性

素早い保湿でうるおいを閉じ込める

洗顔をしっかりと行った後は、保湿ケアをします。ポイントとしては以下のものが挙げられます。

・洗顔後、入浴後5分以内に保湿スキンケアを行います。
・保湿剤は適量を守って、肌の負担にならないように優しく塗布します。
・顔だけでなく唇や体も忘れずに保湿を行います。

何も付けなくても肌にうるおいがある人はいいのですが、ほとんどの場合、洗顔後に肌はどんどん乾燥していきます。そこで、うるおいを補うために化粧水を塗りますが、パッティングのように肌をたたくのはおすすめできません。丁寧に優しく、塗り残しのないようにします。また、とくに目元などの乾燥しやすい箇所には重ね付けするようにします。

自分に合った洗顔料とスキンケア用品でうるおいを与えるお手入れを


ところで、洗顔料や保湿用のコスメはどのようなものを選べばよいのでしょうか。

メイクを落としたいときには、クレンジング料を使用しますが、クリームやオイルなどの種類や成分比率によっては皮脂を落としすぎてしまうので、自分の肌タイプにあった負担の少ないものを選ぶようにします。肌の強さのほか、薄づきメイクを落としたいのか、しっかりメイクを落としたいのかでも使い分けるのが理想です。

洗顔料は固形石鹸や、洗顔フォーム、ジェルタイプ、パウダータイプ、最初から泡状になっているものなどがありますが、主な特徴は以下のようになっています。

・固形石鹸/余分な皮脂をすっきりと落としてくれます。しっかり洗いたい人向きです。
・洗顔フォーム/種類も多く、自分の肌に合わせて選ぶことができます。泡立てやすいものが多くあります。
・ジェルタイプ/泡立てやすく肌に優しいものが多いようです。
・パウダータイプ/成分によって合う肌はさまざまですが、いずれにしても溶かし残しがあると肌を傷つけてしまうので注意をします。
・泡状/最初からきめ細かい泡状になっているので便利です。しっかり汚れを落とすことができ、やさしい洗いあがりのものが多いようです。

もちろん、商品ごとの特徴もあるので、洗浄力や泡立てやすさ、自分の肌タイプに合っているかなどを事前に調べて、お好みのものを選ぶようにしましょう。

また、スキンケア用品ですがうるおいを補ってくれるものや、肌を保護してくれるものなど種類は豊富です。敏感肌の人には、やはり刺激が少ないものがおすすめとなります。余計なものが入ってなく、アレルギーなどを引き起こしにくいものが適しています。

自分に合ったスキンケア用品を選び、肌にうるおいを与えてください。

様々な洗顔料の画像


まとめ

秋冬に注目されがちな肌の乾燥ですが、実は紫外線や冷房などの影響もあり、一年中起こる可能性があります。また、生活のリズムが崩れたり、栄養が偏っていたりすると肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、肌のバリア機能が低下し、乾燥肌になることもあります。
そこで、毎日の食生活や洗顔・保湿を見直すことをおすすめします。例えば、睡眠と栄養をしっかりとり、適度な運動も行います。洗顔ではぬるま湯を使い、よく泡立てた洗顔料を肌にのせて時間をおいてから流すようにします。肌のバリア機能をつかさどる角層を健やかに保ち、うるおいのある肌を目指しましょう。

中村淑子先生プロフィール

中村淑子先生

大学病院で7年勤めたのち、美容皮膚科クリニックで研鑽を積み現職。製薬会社の化粧品開発など皮膚科領域で幅広く活動している。

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